彼の部屋から右と左……どちらの足から出たのかなんて覚えていない。
でももしかしたら、違う方の足から出た細やかな分岐もあるんだろうな。
でもそれは永久にわからない。正解なんてあったとしても、確かめる事なんて出来ないんだから。
この決断は間違い?
でもしかたないじゃないか。
理由があって、きっかけがあって、今の私の心が結果を求めようとしてる。
携帯のディスプレイ……
一番たくさんの発信と着信をした番号を表示させた。
押せない発信ボタンが私の迷い。
消せないディスプレイも私の迷い。
もはや迷っている段階まで来てしまっているのが事実。
「違う道を歩こう」
親指は発信ボタンを押し、私は目を閉じた……


