【彼と彼女】 そしていつしかの夜──。 煙草の匂いのする腕に深くもたれ、彼女は彼を真似て煙草を吸う振りをしながら……彼に口づけた。 彼はそんな彼女の髪を撫でながら、あの日彼女が落とした映画を無理に見せられている。 「やっぱり甘いのは苦手だ……食うのも、映画も」 「貴方と雨宿りしながら話込んで見れなかったのっ」 「傘を持って行かなくてよかった」 「私も……この映画は幸せな思い出でしょ?」 そして二人はもう一度唇を重ねた。 fin