もっと早く逢えていれば良かった〈昴side.〉

「もういいよ」と声をかける。
何も言わずパジャマのボタンを付け始めた。



「で、何?」



ボタンを付けおわった頃に話しかける。
顔を上げて俺と目を合わせた。



「あの、手術したら治るんですか?」



急にどうしたんだ。
あれだけ拒んでいたのに。
今頃やる気にでもなったのだろうか。



「治るよ、完全じゃないけど」



嘘をついた。
治るわけがないのに。



「でも、綾乃の病気は他の人と違って複雑だから難しいよ?」



上げて、下げる。
もう出来ないなんて俺には言えなかった。