もっと早く逢えていれば良かった〈昴side.〉

「……綾乃」


「ん、もう起きた?」


「……」



夢だって分かっているのに、夢だって分かっているからこそ、涙が出てくる。



「え、ちょ、何で泣くの⁉︎」


「……なんでもない」


「言う気なんてないよな。今までもそうだったし、これからも」



笑った顔は少し寂しそうに見えた。



「どうせ綾乃ちゃんのこと引きずってるんだろうけど」


「……うっせ」



綾乃のことを忘れられない俺に気を使っているんだろう。
でもそんな気を使われても恩は返せない。