もっと早く逢えていれば良かった〈昴side.〉

涙架の携帯を鳴らす。
授業中らしく電話には出なかった。

暫く待つと電話がかかってきた。



「涙架?」


〈お兄ちゃん!授業中に携帯鳴らさないでよ!優しい先生だったから良かったけど怖い先生だったら……〉


「綾乃が亡くなった」


〈……え?待って、状況が整理できない……嘘でしょ……?〉


「本当」


〈嘘だって言ってよ……そんな簡単に死ぬはずない……〉



涙架の周りから声が聞こえる。
きっと泣き崩れたんだろう。



「学校終わったら来いよ」


〈今行く……こんな状態で授業受けれるわけないじゃん…バカ兄〉


「そか、ごめんな」



綾乃。
お前のことを大切に思ってくれている人はたくさんいるぞ。
もう独りなんかじゃなかった。




「よかったな」