「よし、大丈夫。行こうか」



送り迎えを許され、毎日綾乃を学校まで送っていった。



「涙架」



教室で待っていた涙架を呼び出した。



「綾乃の脈、いつもより速かったからちゃんと様子見てて」


「了解!」


「何かあったらすぐ携帯鳴らしていいから」


「うん、1限ごとに報告してあげる!」


「じゃ、綾乃のことよろしく」



病院に着いてすぐに診察室へ向かい、カルテを取り出した。


時間がゆっくり過ぎていく。
涙架の言っていた通り、授業が終わるごとにメールの着信がきた。



「……」


「あの、先生?患者さん呼んでも……」


「ごめん、俺行かないと」


「え?でも患者さんが…」


「医局に原田いるから頼んで」


「え、え、ちょっと待ってくださいよ!」



無視してその場を後にした。