もっと早く逢えていれば良かった〈昴side.〉

待ち合わせよりも20分くらい早く着いた。
事務室の案内人に名前を聞かれて答える。



「白神昴さんですね、会議室に案内します」



会議室のドアを開けて中に入る。
すると、大学の関係者らしい人達が握手を求めてきた。



「はじめまして、白神先生」
「私大ファンなんですよ!」
「君のおかげで講義室は空席が無くなったよ」



思っていたよりも歓迎されているようだった。
気分がいいものだった。
なのに、



「天才の力は凄いなー」



その誰かが言った言葉で一気に気分が悪くなった。

誰も俺の外見しか見ていないんだと気付かされた。



「少し、失礼します」



顔が歪む。
誰にも見られたくない顔。
それなのに…。



「昴…?」



大人っぽくなった光輝がいた。