もっと早く逢えていれば良かった〈昴side.〉

「お前は自分が嫌い?」


「は?」



考えていたことを当てられ、ドキッとする。



「当たりか…。俺は自分が好きだけど、医者になる前までは自分が嫌いだった」



急になんだよ…。



「うちの家庭結構貧しくてさ、親を楽させてあげたいからって医者を目指したんだ。でも学費高くて、バイト何個も掛け持ちしながら医者を目指してたら俺、なんで医者目指してるんだっけ、どうしてこんなこと…って訳分からなくなって自分自身壊れそうになってた。でも、最後まで頑張ったとき、やれば出来るじゃんって自分のことが好きになったんだ」



じゃあ俺はいつ報われるんだよ。



「お前に会ったとき嫉妬した。この世界は俺に優しくないんだなって悲しくなった。でもお前と話したとき天才も楽じゃないんだなって分かったんだ」



どうして俺の気持ちがお前なんかに分かるんだよ。



「"操り人形"みたいな目してるから」


「……っ」


「最近はちょっと変わったなって思ってたけどさっきまた戻ってた」


「…んなことねぇよ」


「じゃあなんで泣いてんだよ」