もっと早く逢えていれば良かった〈昴side.〉

「ちょっと出てきます」



このままじゃ暴れそうだ。
体が言うこと聞かなくなってしまう。



「俺も行くよー」



そう言って付いてきた原田に構わず、医局を出た。
向かった先は屋上。
まだ朝早かったからか、誰もいなかった。

綾乃もいなかった。

綾乃と初めて会った場所。
風でなびいた髪が綺麗で忘れられない。



「白神ー?調子悪そうだけど大丈夫か?」



別に調子が悪いわけではない。
ただ自分の存在を否定してるだけ。


「白神?本当に大丈夫か?」


「ああ、なんともない」



こうやって話していても原田も羨ましいと思っているんだろうな。

誰も信用できない。