もっと早く逢えていれば良かった〈昴side.〉

「大切なものってどれ?」


「その棚…の、一番…上……の引き…出し」



指を指してそう言った。
その棚へ向かって引き出しを開ける。

錆一つない、綺麗な懐中時計が大切にしまわれていた。



「これ?」


とりだして綾乃に見せる。



「うん……それ……」



ふわりと笑った。