もっと早く逢えていれば良かった〈昴side.〉

綾乃の顎を掴んで口元を見る。
血が付いていた。



「大丈夫じゃないと思うんだけど」



見ないでと言うように、手を退かしたがった。
仕方なく手を下ろす。



「血、吐いたよね?」


「吐いてないよ?」



また、嘘を付かれた。



「吐いたよね?」


「……」


「もう嘘つくなよ」


「……」



頷いてくれた。


俺だって怒りたくなんてない。
嘘は、嫌いだ。