もっと早く逢えていれば良かった〈昴side.〉

「昴、ごめん。ちょっとトイレ行ってくるね」


「大丈夫か?」


「大丈夫だよ」



全く大丈夫じゃない顔。
眉間にしわを寄せて瞳を潤ませていた。



「っておい、走んなよ……」



心配になって後を追った。



トイレの前で出てくるのを待った。

泣き声と咳き込む声が聞こえてくる。

聞いていられなくて耳を塞ぎそうになる。



「逃げるな、俺……」



逃げたら傍にいられなくなる。