なぁ、聖愛。





俺はお前が好きだよ。




ほんとに大切に思ってるんだ。




だけどお前はどうなんだ?




もしお前が俺の事をもう好きじゃないのなら

俺は引き下がる。


お前をそこまで悩ましてしまってる俺に


これ以上悩ますことをしたくはない。




諦めることはまだできないかもしれないけど


お前の幸せが俺の幸せなんだよ。





なんて、綺麗事だけど。


ほんとは意地でもそばに置いておきたいんだ。



こんな事、



恥ずかしくて言えないんだけどな。









『いやーっ来たねこの日が!』




田丸がバスから降りて宿泊のホテルの前でそう言う。



そう、今日は旅行当日だ。




朝から顔を合わせたけど
一言もしゃべることは無かった。


隣のバスでも気まずいままで。