「…ひなちゃんって弱いよね。 隙だらけでさ。 ま、そこがかわいいんだけど。 だから、俺も我慢できなくなったんだよ。」 低い声で涼平は言った。 辛そうに、悔しそうに。 …こいつはいったい、雛音に何をしたんだ。 気づいたら涼平の胸倉をつかんでいた。 「…あいつを傷つけるな。」 「はあ? ひなちゃんを傷つけてるのが自分だって、 いい加減気づけよ!!」 その言葉で、ハッとつかんでいたものを離す。 …雛音を傷つけてるのは、俺。