「…ただいま。」 しーんと静まる部屋に、 横たわって雑誌を読んでいる涼平。 …ただいまは完全にシカトされた。 「おい。」 呼びかけても反応すらしない。 俺は覚悟を決めて口を開く。 「…雛音と付き合うことになった。」 ”雛音”という単語に引っかかったのか、 涼平は雑誌を置いて起き上がった。 「…なに、自分の気持ちわかってんのに、 ひなちゃんと付き合うわけ?」 怒りのこもった声色。 …図星すぎて、言い返すことができない。