愛は嫌いなんだ



「さっきの山谷、すごかったよね~」

昇降口で上履きに履き替えていると、一ヶ月前にこの中学校で初めてできたの友達、里穂がうんうんと頷きながら言う。

「うん、そうだね」
「四人抜きでしょ?うちらトップだよトップ♪」

里穂の口は教室まで止まることはなく、べらべらと何でも話してくれた。
山谷君と同じ小学校だったこと。
山谷君はクラスメイトの人気者のこと。
それから、女の子友達がたくさんいること。

あたしは顔も平凡並みで運動音痴で、勉強もできるってわけじゃない。
その上、性格まで暗いなんてほんとう釣り合いがとれるはずもなくて、
あたしは山谷君を好きになっちゃいけなかったのかもしれない。