あの子





『けんくんは高校でも、続けるの?』


松葉杖をベンチに寄り掛け、俺の隣に座る少女は言った。


当然の如く、俺はうなずく。

リハビリで大分歩けるようになった俺は、少女を笑顔にすることは出来なかった。


『なんで続けないんだよ』


そう聞くと、少女は苦虫を噛んだような顔をして、


『なんでかな』



俺に聞き返した。