神無き世界





―――カラン




不意にベルが鳴った。



「お、誰か来たみたいだな。
今の時間に来るのは……神威だな」




ガチャッ



そして、扉が開く。



「おい、何でコッチにいないんだよ。
寝てんの……か、あ?」



入ってきた男は柊を見て、次に私を見て怪訝な顔をした。


黒い髪。

黒い瞳。


整った顔。



柊を見て思う。



顔が整っている人のところには顔が整っている人が集まるのか、と。





「……誰だ、コイツ」

「今日から住むことになった神無綴ちゃんだよ。
仲良くしてね」


ふーん、と興味がなさそうにする神威。



「…柊が決めたんなら俺は反対しねぇけど、仲良くするつもりは毛頭ないからな。
俺も、多分あいつ等も」

「おいおい、仲良くしろよ。
女だから駄目なのか?
女嫌いだっけな、神威は」

「ちげぇ。
でも、俺は柊とあいつ等以外親しくするつもりないからな」