神無き世界




「それに、今さら一人増えたってな」




照れたように頭を掻く柊。


「誰がいるの?」

「17・8の男が六人だな。
全員、癖のある奴らだけど根は優しいからな」



柊は、ふ~ん、とどうでもよさげにしている私の頭を掻き回し出した。



「うわぁっ」

「折角、時を越えてこっちに来たんだ。
仲良くしろよ?」




他人と、仲良く……



頭が鈍器に打たれたように痛い。



私に仲良くする人間はいなかった。

友と呼ぶ人間もいなかった。

いるのは、地位を狙う逆賊と熱を孕んだ瞳を持つ卑しいものたち。



家族なんかは知らなかった。

生きているのか。

死んでいるのか。

兄弟姉妹がいるのかさえ。