神無き世界






「……そっかぁ」



“お粥”を食べながら私は彼といろいろと話した。


まず、この世界は私が存在(い)た『江戸時代』から約300年位経った世界らしい。

年号は『平成』。

西暦は2013年。

それで科学というのが発展していること。

今の日本は外国と強く結びついていて食材に外国産があること。

戦は無く、戦争という大規模な戦いがあること。

字が違うこと。




…等等。




そして、もう戻れないかもしれないこと。



「柊」


先ほど教えられた彼の名前を呼ぶ。


「ん?」


「私、家が無いからここで住んでもいいかな?
勿論、その分働くからさ」


「いいよ」



あっさりと了承した柊に驚く。

ニッコリ微笑む柊。




―――嗚呼、時代の変わりは恐ろしい。


私の時代ではこんなこと、絶対にありえない。




弱肉強食。食物連鎖。


“助ける”なんてありえなかった。