「胸が苦しくて
君に会いたくて
わたし、こんな気持ち
知らなかった
このまま笑ってたくて
“好き”と伝えたくて
甘くて切ない
first love」

「…」

「ごめんね、私、歌とかあんま上手じゃなくて…」

「そんなことないよ」

「ううん。私、戸田くんみたいに何か一つでも特技が欲しかった」

「特技?」

「うん、戸田くんはサッカーが得意でしょ?ずっと、いいなって思ってたの」

「…」

「あ、勝手に私のこと話しちゃってごめんね!」

「…じゃあさ、俺はサッカー選手になるから、森本は歌手になれば?」

「か、歌手!?」

「歌、キライ?」

「そ、そうじゃないんだけど…私、人前に立つこととか無理だし、第一、歌が上手じゃないし…」

「うまいから、だから、頑張ろうぜ、お互い」

俺はやっと気付いた。
森本のこと、好きになってるっていうことに…

「うん…!」

森本は小指を出した。

「え?」

「指切り!」

中学3年生にもなって、指切りかよ。
俺は苦笑しながらも、小指を出した。