「っだ…戸田くん!」

シャカシャカ

「…?」

「あの、えっと…何の音楽聞いてるの?」

「RUIの〈first love〉だよ」

「戸田くん、RUI好きなの!?実は、私も好きなんだ!」

「知ってる。」

「え…?」

「俺がRUI好きなの、森本が好きだからだし」

「それって…」

「亜由香に聞いただろ?俺が森本好きって」

「…!」

「俺と付き合ってくれますか?」

「…こちらこそ、よろしくです」

パチパチ…

「おめでとーっ」

「亮ー!カッコイイぜーっ!」

「森本さん、お幸せに!」

「み、みんないつから聞いて…」

「だって、森本さん、声大きいんだもん」

「あっ…えっ…///」

「…クスッ」

「わ、笑わないで、戸田くん!」

「戸田くんじゃなくて、亮って呼んでよ、みなみ」

「みなみって…」

「ね?」

「り、りょ…亮、くん」

「くん付けかよ!まぁ、いつか亮って呼ばせてやるから!」

そう言って亮くんは私の手を握った。
私も慌てて握り返した。
こんな幸せになれるなんて私は嬉しかった。

…そのたった10分後に事故が起きるなんて誰も想像していなかったんだ。