あれから授業終了のチャイムが鳴り、あたしは無事キラキラボーイこと学園の王、千尋から開放されたのだった。
朝倉千尋様専用部屋を出るときに、千尋から受けた命令は
「明日の放課後、ここに来いよ?」
ということだった。
もちろん行くつもりはない。
千尋とは手を握っただけてだけで妊娠しそうだし。
あたしは教室でなるちゃんの帰りを待っていた。
自分の席に座りながら、足をブラブラさせながら。
暫くすると、
「みぃたーーーーーんっ!!」
物凄い叫びと共に、なるちゃんがタックルしてくる。
「な、なるちゃん…痛い」
「もーどこ行ってたのぉ!?
みんな心配してたんだよ?一番心配したのはあたしだけどっ!!」
なるちゃんは、あたしをこれでもかというくらい強く抱き締めながら、あたしの頭に顔を擦りつけた。
ちょ、苦しいぜ…、マイハニー。
窒息死寸前5秒前……2…1…はい、ご臨終。
「ちょ、みぃたん!?
ちょっとキツく絞めすぎたかも…みぃたん生き返って〜」
死んだフリをしたあたしを、必死に生き返らせようとするなるちゃん。
なんて可愛いんだ。さすがマイハニー。
「ほら、ミルクキャンディあげるからぁ!!」
「はい生き返ったー!!」
そんなあたしを見て、なるちゃんは楽しそうに笑った。
あたしも…、なるちゃんといると楽しいよ??
そんな思いを込めて、あたしもなるちゃんに笑い返す。
