あぁ、やってしまった。
あたしは両腕をパッと離すと、声の主を見上げた。
「うぅ…すいません。
何が起きたかわからなくて、ちょっとフリーズしてました」
どうやらあたしは、このキラキラオーラを放つキラキラボーイに助けられたらしい。
助けられただけならまだしも、助けられたことに気付かずに暫く抱きついていたというこの始末。
どう謝ったらいいものか…
「ほんとすいません。あたしなんかに抱き付かれて不快かと…、すいません。
いや、すいませんもあるんですけど…、まずはありがとうございますが先ですよね。
助けてくれてありがとうございました。お陰で腕も鼻も折れなくてすみました!!」
あたしは謝罪と感謝、二つの気持ちを込めて深々と頭を下げた。
その光景を見てか、キラキラボーイは笑い始める。
「ハハハッ…キミ、面白いね?」
「え、あ…ありがとうございます?」
ありがとうございますとは言ってみたものの、面白いとはドコが面白いのか。
あたし、トークには自信がないし…もしや顔のこと??
だったらありがとうございますなんて言ってる場合じゃない。
