先生..〜出会ってから五年の月日〜


これは、チャンスかもって。


そう思ったら美味しく作ろうと
精一杯頑張った。


自分で食べれないから味見はしてないけど

学校で配られた袋に入れて

職員室まで。

なかなか勇気が出ない私を
陽菜が背中を押してくれたんだよね


「ほら!授業から戻ってきた!早く!」


「え、無理やってーーーー」

「無理じゃない!大丈夫!」


そんなやりとりをしてる間にも
先生は近付いてくる。

きっと何にもしらないだろう。


「あ!先生?これ、今調理実習で作ったマドレーヌ!
食べれたら食べて!」


言うだけ言って逃げるかのように去った私を
追いかけてきた陽菜。


「ちょっとーなんですぐ逃げるん~」


「恥ずかしすぎて無理やって!」


今となってはただの思い出なのに
この頃の私には一大イベントのように
大きな出来事だった。