職員室まで案内してから、教室へ行った
友達に挨拶して席につくと、何か異変を感じた
横を見ると、頑丈なヘルメットを被った河野くんが。
「鹿はやめたの?」
ゆっくりこっちを振り向くと、腕を組ながらまあな、と答えた
「あれはすぐ取られるし、こっちの方が安全だしいけてるだろう」
いけてる…のか?
「お礼にあの鹿の被り物をお前にやろうと思ったが、やっぱりやめた」
もらっても逆に困るよ
チャイムが鳴って、遅れて担任が入ってくる
挨拶をしたら、
「入学した頃に病気にかかってしまってこれなかったけど今日からこれる事になった子がいるの」
ざわざわと教室の中が騒いだ
私はもう知っているけれど
ガララっと開いたドアから出てきたのは、もちろんあの美少年
教室は発狂しだす
「高根晴斗(たかねはると)です。こられなくて、みんなより遅れてしまったけれど、仲良くしてください」
爽やかスマイル。
私もその笑顔に心を射られた。

