不思議の国の河野くん

「夢だったのかな」



朝、すっきり目覚めて一言。
夢オチで終わるパターンだろうと日付を見たら、どうやら現実。










今日は遅刻せずに学校へ行ける。



歩いていると、昨日河野くんとぶつかった角があった。



また河野くんがいるんじゃないかな、と期待して踏み出して見ると、



知らない男子生徒が立っていた。



制服は確かにうちだし、学年もクラスも一瞬…?





「あ…」



男子にしては少しだけ小柄で、色素の薄い髪と透明感を放つ美貌…




「もしかして、與高の子…?」



與高とは、與三谷高校、略して與高で、私の通っている高校。




「あ…そう…だけど」



「訳あって今日から学校行くことになったんだけど、道を間違えたみたいで…」



「そーなんだ…私今からいくところだから、一緒に行く?」



そう聞くと、美少年はすいません、と言っていた。



角様最高ですわい




よし明日も曲がろう






「転校生?」


「いや…そうじゃないよ。少し病気にかかってしまって、休んでいたんですよ」



敬語のような、そうじゃないような

かわよい




「病気は大丈夫?」


「全然いけるよ」




愛想笑いする謎の美少年。

鹿にも愛想笑いを見習って欲しいものだよね