保健室に入ると、鹿の河野くんはボーっと前を向いていた
「河野くん」
私が声をかけると、「おかえりんこ」と言った
「たぶん、成功したよ」
一瞬沈黙が続いたが、
河野くんは鹿を取った
「感謝する。ありがとう」
優しく爽やかに笑み。
ズっキューン
やばい、やばいぞ河野くん。
かっこよい、かわよい。
守ってあげたくなる。
「おい、福田。」
「何?」
「なぜゆえにお前が泣きそうになってるんだ」
気付けば、じわぁと涙を浮かべていた
「良かったなって思ってさ」
相変わらず笑ったのは一瞬で真顔に戻ったが
「会ってからまだ1日なのに、一ヵ月過ぎた気がするね」
河野くんと出会ってワンダーランド。
平凡だった毎日が少し、大変だけれど楽しく…なるか?

