不思議の国の河野くん


目を輝かせて河野くんを見ていたら、突然真顔に変わったから少し驚いた



「河野くんって笑うこともあるんだね」



「いつもニコニコしてるだろう」



「してないじゃない。かりにしてても鹿で見えないわよ」



それにしても可愛らしい笑顔だったなー





ポケットをあさっている河野くんの顔をまじまじ見ていると

耳にピアスの後がついていた





しかも5個ぐらい




も…元ヤクザ!?





ポケットからガムを取り出して、ポンッと口の中に入れた



「ね…ねえ。」



「何。ガムが欲しいか?強情な女だ。ジャ○アンの仲間か?」


「ジャ○アンじゃなくて…」



「あきらめろ女。いくらキ○リトールだからといって、お前のような強烈な口臭が消せるというのも限らない。ガムにも限度があるからな」



「誰が強烈な口臭よ!!ていうかガムいらないし!!」



はあ、とため息を河野くんがついた



「じゃあ何だ」



そう聞いたところでチャイムが鳴った。




「あ、次体育じゃない?」


「変身しなくては」


「いや…、河野くん更衣室…」



「ハッ…!!変身ベルトがない…」



めちゃくちゃ悔しそうだけど…変身ベルトいらないよ!?





「というか…俺変身ベルト買ってない…」



そういうのって売ってるもんなの?



「河野くん、体操着持って男子更衣室行けばいいんじゃない?」



「まあ、その手はあるんだが…」



「よしその手段で行こう」