丁寧におじぎをし、 寺辻は自分の 席へもどった。 その日は特に なにもなく、平凡に 過ぎていった。 篠原ちゃんと 一緒に帰り、 自分も家路についた。 「ただいま。」 台所にいる 母さんに言った。 「おかえりー。 あ、そういえば あんたに 電話あったよ。」 「え?家電に?」 「そう。 男の子でね。 でも、どちらさま って訪ねても、 良平に言えば 分かりますって。 知ってる?」