目的地まで 歩いているとき、 「なぁ。」 「ん?」 「あの片岡ってやつと …どのくらい しゃべるわけ?」 「え、どの くらいって…」 って、直人これって… 「やきもち…?」 ひょいっと直人の 顔をのぞく。 「!!うるせぇッ!」 「っぃて!」 顔を赤くし、 あたしの頭を突っつく。 あの時。 屋上で頭をおさえ つけられたときとは 全然違う。 優しかった。 〝あの時〟はもう、 思い出になっている。