悲しい。 篠原が、俺のせいで 泣いている。 そのことがすごく 悲しい。 結局、俺は家の中にあがり 篠原を部屋まで連れて行った。 ベッドに寝かせ、 頭を撫でた。 本当にわりぃ。 そう言うように、 ずっと撫でていた。 「田崎…あたし、もう平気。」 だいぶ落ち着いた篠原は そう言って俺の手を握った。 「お前の母さん帰ってくるまで ここにいようか?」