きみに会える場所~空の上ホテル~

道は公園の散歩コースぐらいの幅で、両側に街路樹が植えられている。

街路樹の向こうに芝生が見えた。その向こうには何があるのかなと思ってのぞいてみた。

何もなかった。というか、空と雲が見えた。手のひらにじんわり汗がにじんだ。

・・・・・・ここって、本当に「空の上」ホテルなんだなあ。

私は道の真ん中を歩いた。

左右に首を振りながらじんわり歩いた。何一つ見逃さないように。

途中で奈美ばあちゃんにもらったお茶を一杯と、みかんを一つ食べた。どっちもコカナタくんと半分こした。

どれくらい歩いただろう。後ろを振り向くと空の上ホテルは見えなくなっていた。前を見てもはるかに続く道があるだけ。東条茂人さんらしきおじいさんも見えない。

「東条茂人さーん、いませんかー??」

私は大きな声で呼んだ。