あの女の子、誰だろう。サキさんじゃなくてあの子がレイの恋人なのかな。

レイの顔を見られてうれしいって思ったけど、こんなとこ見るくらいなら、来ないほうがよかったのかな。

なんか、目が回る。ぐるぐるぐるぐる、景色が回転扉みたいに回ってる。

空の上ホテル、耐震構造に問題あるんじゃない? もうかなり古いみたいだし。

なんて思ってると、肩をそっと抱かれた。

ぼうっとしたまま顔を向けると、なつかしいサキさんの顔があった。相変わらず美人だなあ。

でもなんか悲しそう。どうしたの? 何か嫌なことでもあった?

「美緒ちゃん、こっちいらっしゃい」

私はサキさんに肩を抱かれたままその場を離れた。