きみに会える場所~空の上ホテル~

どうやら、ここから出られないみたい。

絨毯の渦巻き模様を眺めながら、ぼんやりと考えた。

不思議と冷静だった。

まあ、夢なんてものは現実にはありえないようなことが起こるものだ。

ここに座って、現実の私が目覚めるのを待つことにしよう。

私はソファの背にもたれかかって、脱力していた。



ぎいっ

木のきしむ音に顔を上げると、私がさっきまで悪戦苦闘していた回転扉を通って、和服を着込んだ年配の女性が入ってきた。

私は女性の顔に見入った。

この顔には、見覚えがある。それも、つい最近見た気がする。

女性はものめずらしそうにホテルの中を見ていたが、カウンターへと進んだ。