きみに会える場所~空の上ホテル~

まだ夜の9時過ぎだったけど、自室に引っ込んだ。

ベッドにどさりと横になる。

充実してたと一言で片付けるには、あまりにも密度の濃い一日だった。

普段、すかすかに何もない日々を過ごしてる私にとって、今日は一年分くらいのイベントがあった。

逆に言えばこれから一年間何も起きなくても、今日を思い返すだけで、十分ドキドキして生きていけるくらい。



唐突にレイとの偶発的キスを思い出した。ベッドの上で顔をおおって転げまわった。

私的にはうれしすぎるハプニングだったけど、レイは反応ゼロだったなあ。

余計なことまで思い出して、途端に気分は沼の底だ。


体は疲れてるのに、頭がいろんなことを思い出してどんどん回ってる。

こんな調子じゃ今日は眠れないかも。

私は手でさっき高まってしまった心臓の鼓動を確認しながら、枕に顔をうずめた。