サキさんの後について、廊下を歩いていく。
「従業員以外の立ち入りはご容赦下さい」という張り紙のあるドアをサキさんが押し開ける。
中に入ると、廊下がぐんと狭くなった。
「洗濯室」とか「調理場」とか書かれたドアをちらちらと横目で見ながら、サキさんの深緑色の制服を追いかける。
大きな灰色のドアの前でサキさんは私を振り返った。ちょいちょいと手招きをする。
私はほっとして、走っていった。誰かに見咎められないかずっとびくびくしてたんだ。
サキさんがドアを押し開けた。ぎいっという重そうな音がした。
「わあ」
ま、まぶしい。思わず手を顔の前にかざした。
目が外の明るさに慣れてくると、自然に顔がほころんだ。
「わあ、すごい」
そこは、野菜畑だった。真っ赤に熟れたトマトや、ひょろ長いきゅうりが遠目にもはっきり見えた。
「おいしそ~」
「季節に関係なく、いろんな野菜がここでは育つのよ」
サキさんがちょっと得意そうに言った。
「でね、洗濯物のことなんだけど、そんなに遠くまでは飛ばされてないと思うの。多分この野菜畑かその先の果樹園か・・・・・・」
サキさんは、ちょっと心配そうな顔になった。
「変なことお願いして、ごめんね。見つからなくても、必ずここに戻ってきてね。私、仕事をしていると思うけど、中に入ってフロントでレイに言ってくれたら、すぐにとんで行くから」
「大丈夫だよ。探検みたいで楽しそう。宝物、絶対に見つけてくるからね」
私はサキさんに安心してほしくて、おどけて言った。
「じゃあ、いってきます」
外へ大きく一歩踏み出した。
「従業員以外の立ち入りはご容赦下さい」という張り紙のあるドアをサキさんが押し開ける。
中に入ると、廊下がぐんと狭くなった。
「洗濯室」とか「調理場」とか書かれたドアをちらちらと横目で見ながら、サキさんの深緑色の制服を追いかける。
大きな灰色のドアの前でサキさんは私を振り返った。ちょいちょいと手招きをする。
私はほっとして、走っていった。誰かに見咎められないかずっとびくびくしてたんだ。
サキさんがドアを押し開けた。ぎいっという重そうな音がした。
「わあ」
ま、まぶしい。思わず手を顔の前にかざした。
目が外の明るさに慣れてくると、自然に顔がほころんだ。
「わあ、すごい」
そこは、野菜畑だった。真っ赤に熟れたトマトや、ひょろ長いきゅうりが遠目にもはっきり見えた。
「おいしそ~」
「季節に関係なく、いろんな野菜がここでは育つのよ」
サキさんがちょっと得意そうに言った。
「でね、洗濯物のことなんだけど、そんなに遠くまでは飛ばされてないと思うの。多分この野菜畑かその先の果樹園か・・・・・・」
サキさんは、ちょっと心配そうな顔になった。
「変なことお願いして、ごめんね。見つからなくても、必ずここに戻ってきてね。私、仕事をしていると思うけど、中に入ってフロントでレイに言ってくれたら、すぐにとんで行くから」
「大丈夫だよ。探検みたいで楽しそう。宝物、絶対に見つけてくるからね」
私はサキさんに安心してほしくて、おどけて言った。
「じゃあ、いってきます」
外へ大きく一歩踏み出した。

