「おはよー!」

私は元気よくレイとサキさんにあいさつをすると食堂のいすに腰掛けた。

「・・・・・・はよ」とレイが、「おはよう」とサキさんが声を返してくれた。

テーブルの上には、炊き込みご飯、お味噌汁、目玉焼き、サラダ、ほうれんそうの白和えが並んでいた。

「おいしそう。いただきまーす」

私はもりもりと食べた。

「この炊き込みご飯、おいしい!」

思わずサキさんの方を見ると、サキさんがにやりとした。

「今日の食事当番はレイよ。・・・・・・っていうか、これからしばらくの間、ずっとレイだから」

「あ、そうなんですか?!」

「まあ、コックは嫌とかフロントは嫌とかごねてるんで、せめてそれくらいはしてもらわないと。ね」

レイはだまったまま小さくうなずいた。

「あ、そうだ」
私はポケットに手を突っ込むと、小さく折りたたんだ紙を取り出した。さっき部屋を出る時に思いついて書いてきたものだ。

「はい、サキさん。後で読んでね」

こういうの、クラスの子がやってたなあ。私は訳もなくどきどきした。

「なあに?」

サキさんは私が置いた紙を広げるとすばやく目を走らせた。

サキさんへ

昨日の夜、カナタさんのパソコンに侵入して水城さんのことを調べました。
レイが信じている通り、水城さんはレイの本当のお父さんだったよ。 美緒

サキさんはぱっと顔を上げて私を見た。レイが怪訝な顔でサキさんを見た。サキさんは何も言わないまま紙を折りたたんでしまいこんだ。