桜木美緒、桜木美緒・・・・・・。

あった! 住所と年齢、家族構成が書いてある。小さく写真も載ってる。

写真をクリックしたら拡大されて画面に出てきた。

写真の私は、髪をまとめていた。今はもっと短いから、少し前に撮ったものだろう。

そして何より着物を着ていた。・・・・・・着物なんて、もう長いこと着てない。

最後に着たのはいつだったっけ。よく覚えてない。

私は写真の画面を閉じた。リストの右端に赤字で「召喚中」と書いてある。

しょ、召喚って・・・・・・。やっぱりRPGな感じ?!

名前が挙がっている他の人たちのリストの右端には黄色い文字で「睡眠」とか「運転」とか「食事」とか書いてある。

じっと見ていると、書かれている内容がどんどん変化していくのがわかる。

・・・・・・おもしろーい。

例えば、この山形優って人は、「勉強」と「睡眠」がころころ変わってる。きっと居眠りしてるんだろうなあ。私は声を立てずにくすくすと笑った。

でも、いくら見てても見飽きないけど、明日のことも気になるから、もう寝よう。

私はファイルを閉じると、作業を終了してパソコンの電源を切った。

天板も元に戻して、椅子からそっと立ち上がる。ノートも間違いなく持った。

スリッパで音を立てないように歩く。部屋の電気を切ってそろそろと廊下に出た。

真っ暗だった。

・・・・・・ああ、そっか。消灯時間を過ぎちゃったんだ。

懐中電灯、持ってくればよかったなあ。まあ、もう自分の部屋がどこかは覚えてるけど。

私はパジャマにスリッパという格好で、暗闇の中を歩いて部屋へ戻った。