きみに会える場所~空の上ホテル~

「こ、この水城さんって人・・・・・・」

レイにすごくよく似てる。

切れ長の美しい目。黒くてつややかな髪。

レイが渋い大人になったら、きっとこんな感じなんだろうな。

まるで親子みたい。


・・・・・・。

「えっ?!」

まさか・・・・・・。


この人が、レイのお父さんなの・・・・・・?


私はもう一度じっくりと水城さんの情報を読み直した。



水城玲司(ミズキ レイジ)

享年:36歳

死因:溺死

家族構成:独身。子供なし※


・・・・・・。※って何? 

パンフレットに※マークがあったら、普通は欄外に何か注意書きとか書いてあるよね。

紙を隅々までなめるように見たけど、それらしいことは何も書いてない。

気になる気になる気になる気になる。

それに、水城さんの名前が玲司っていうのも偶然とは思えない。

もしも私が大好きな人と結婚して子供ができたとしたら、その人の名前から字をもらおうって考えるもの。

レイの字が「玲」だったとしたら、もう絶対に間違いない。

とにかく、レイはこの人が自分の父親だって思ってる。そしてあの様子だと水城さんがホテルにやってきたら絶対に騒ぎになる。

レイって、クールに見えて突然豹変するから。

この前の夜のことを思い出して、胸が熱くなった。

・・・・・・。

ダメダメ、そんなこと考えてる場合じゃない。

私はほてった頬をぱしぱしとたたいた。

紙をたたんでポケットに入れると掃除機のスイッチを入れた。

掃除機をぐいぐいとかけながら、これからどうしたらいいのか考えた。