きみに会える場所~空の上ホテル~

「気持ちはわかるけど、何も知らない君がそこまで彼女を断罪するのはどうかと思う」

カナタさんが冷ややかに、けれど強い調子で言った。

「彼女の取った行動は間違ってないとおれは思ってる」

「そう思う理由を聞かせてくれよ、カナタ」

私とカナタさんははっとして振り返った。

管理室の戸口に青白い顔をしたレイがひっそりと立っていた。

その後ろにばつが悪そうにサキさんが顔をのぞかせた。

「二人とも、声、大きすぎ。廊下にまで聞こえてたわよ」

「レイ・・・・・・」

レイの顔は今まで見たことがないくらい青ざめていた。後ろで気遣っているサキさんのこ
とも私のことも見えてないみたいに、レイはカナタさんだけを見つめていた。

「教えてくれよ、カナタ。もうおれ、ガキじゃないんだからさ」

カナタさんは、あごに手をあてたままレイをじっと見つめた。

レイはくいいるようにカナタさんを見つめている。

ちょっとだけ、カナタさんがうらやましくなった。私もあんな風に必死に見つめられてみたいって、ちょっと思った。

カナタさんは、レイからふっと目をそらすと、また遠くを見た。

「そうだね、そろそろ話してもいい頃かもしれないね」

そのままぽつりぽつりと語り始めた。