きみに会える場所~空の上ホテル~

照明はほんのりした明るさだったけど、久しぶりに目にする光はとてもまぶしく思えた。

靴をぬぐと、ほっとした。制服を脱いでハンガーにかける。

手提げの中から服を出して着替えた。

シャワーは明日の朝浴びることにする。ここまで遅くなると、水の音が響いてうるさいかもしれないから。

絶対に寝坊できないな。ベッドの枕元についている時計のアラームをセットした。

時計からレイを連想した。

手を握られたことよりも寝顔を見たことよりも、レイのせつない寝言を聞いてしまったことが心から離れない。

「行かないで、お母さん・・・・・・」

昔、レイに一体何があったんだろう。

それがどんなことかはわからなくても、夜、うなされるほどきついことだったってことはわかる。

どうか今、レイがうなされていませんように。

・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・。

がくん、と頭が下がりはっとした。

瞬間的に眠りに入ってた。

時計を見る。もう2時近い。

このまま横になりたいけど、せめてうがいと洗顔ぐらいはしておこう。

私はよろよろとバスルームに向かった。

明日は(というか正確には今日だけど)、きっとすごくきついだろうな。カナタさんのお説教も待ってるし。

でも、レイに私がしたことを気づかれないようにするためにも、気合を入れて頑張ろうと思う。

私にはそれくらいしか出来ないから。