きみに会える場所~空の上ホテル~

「あれれ、もしかして美緒ちゃん? 妙なところで会うね」

びくっとして顔を向けた。よく見えないけど、この声は多分、カナタさんだ。

「あのっ、これは、ちちちち違うんです」

手を振って小声で否定する。

「明日も早いからぐっすり寝た方がいいって、おれ、言ったよね?」

「はい・・・・・・でも」

「言い訳や弁解は明日、仕事が終わってから管理室で聞くから」

・・・・・・支配人に呼び出しを受けてしまった。仕事二日目で。足元がぐらぐらした。

「・・・・・・はい」

「あ、それと」

よろよろと歩き出したところを呼び止められて、振り返った。

「今日の疲れをひきずって、仕事でミス連発なんてやめてね」

「・・・・・・はい」

心にぐさりと突き刺さった感じ。三連発で。でも疲れすぎてて泣く気力もない。

ふらふらと廊下を歩いて自分の部屋を探した。ここがどの辺かよくわからないから、ほとんど総当りでドアプレートを手探りした。

何とか自分の部屋に帰り着くと、部屋の電気をつけた。