きみに会える場所~空の上ホテル~

自分の部屋に戻って、シャワーを浴びようとしたところで、制服を着る前に着ていた服が見当たらないことに気づいた。それにここへ来る時には持っていた手提げも。

私、どこへ置いてきたんだっけ?

じゃんけんでレイとサキさんとカナタさんの役割分担がすんなり決まって、みんなで倉庫へ行ったんだっけ。そこで制服を選んで、男子用と女子用のロッカールームで着替えた。

・・・・・・ってことは、ロッカールームに置きっぱなしだな、多分。あの時はじぶんの見慣れない制服姿や、レイのコックコート姿に舞い上がってたから。

やれやれ、また外へ行くのかー。もう疲れたなあ。いっそ取りに行くのは明日にしようかなあ。

でも制服を脱いだ後に着る服がないし、手提げには手帳も入ってるし。

手帳には、ゆり子先輩のサインもある。それに確か、レイのことを忘れないようにと特徴を私なりにメモしてあったはず。

「目:切れ長で鋭い。見つめられるとドキドキする」とか何とか。

思い出すと頬が火照った。あれを書いた時は、もう二度とレイに会えないんじゃないかと思ってたから、ものすごーくロマンチックに乙女心満載で書いた。

私はあわててバスルームから出た。やっぱり絶対に今日っていうか「今」取って来ないと。