きみに会える場所~空の上ホテル~

「その、・・・・・・昼間、私、見ちゃったんだ」

「何を」


手が震える。私はお皿を調理台に置くとまたタオルで手を拭いた。

「レイが・・・・・・、その・・・・・・、女の子にキ・・・・・・ス、してるとこ」



「はあ? 何? 全っ然、聞こえない」

レイは水道の蛇口をしめると、振り返って私を見た。いつもの切れ長の目で。


「何を見たって?」



そんな風に見られると、言えなくなる。息苦しくなってあえいだ。

「・・・・・・だから、レイが・・・・・・」



レイの眉間がぎゅっと狭くなった。腕組みをしてにらみをきかす。

「おれがどうした。はっきり言え」




ええい、言っちゃえ! 私はぎゅっと握りこぶしを作った。

「レイが女の子にキスしてるとこ見た!」

一気に早口でまくしたてた。