きみに会える場所~空の上ホテル~

「レイに?! 迷惑じゃないかな」

「別にいいんじゃない? それでおいしいごはんが食べられるんなら」

サキさんが何でもなさそうな調子で続けた。

「だけど・・・・・・、彼女さんが気にするかもしれないし」

思い出したら涙がじんわり浮かんできた。

「彼女?! 誰の?」

「レ、レイの。・・・・・・さっき、サキさんも見たでしょ」

サキさんは、一瞬目をぱちくりさせた。

「ああ。あれ、ね。あの子は彼女じゃないわよ」

「え?」

「だからって、美緒ちゃんのつらい気持ちが減るわけじゃないんだろうけど」

彼女じゃ、ない・・・・・・?

「それってどういうこと? 教えて、サキさん」

サキさんはゆっくり首を振った。

「これ以上は私が話すべきじゃないと思う。どうしても知りたければ、レイに直接聞いて。それじゃあ私は仕事に戻るわね」

サキさんは手を振って部屋を出て行った。