「よかったね、東条さんが見つかって」
私はうきうきしながら歩いた。今頃は、東条さんが無事に着いたって奈美ばあちゃんにも連絡が入っているだろう。
「美緒ちゃん、塀から離れると危ないよ」
「はあい」
私は塀に指先をあてて歩いた。
正面入り口を離れるにつれて、どんどん霧が深くなってきた。何も見えない。
「すごい霧だね。分身さん」
「絶対に塀から手を離しちゃだめだよ」
「う・・・・・・うん」
分身さんの声が遠くに聞こえた気がして、すごく不安になった。思わず足を速める。早く裏門まで行かなくちゃ。
早く、早く。
最後は全速力で走っていた。後ろから分身さんがついてくる気配がしていた。
指先が金属にふれた。裏門だ。
「裏門に着いたよ、分身さん」
返事がない。
「分身さん?」
「大丈夫だよ、美緒ちゃん」
手がそっと肩にふれる。分身さんが私の前に移動した。と思う。
見えてないけど、風がふうっと動いたから。
トントン、と裏門をたたく音がした。
「おれ。開けて」
キイと音がした。多分、裏門が開いた。
私はうきうきしながら歩いた。今頃は、東条さんが無事に着いたって奈美ばあちゃんにも連絡が入っているだろう。
「美緒ちゃん、塀から離れると危ないよ」
「はあい」
私は塀に指先をあてて歩いた。
正面入り口を離れるにつれて、どんどん霧が深くなってきた。何も見えない。
「すごい霧だね。分身さん」
「絶対に塀から手を離しちゃだめだよ」
「う・・・・・・うん」
分身さんの声が遠くに聞こえた気がして、すごく不安になった。思わず足を速める。早く裏門まで行かなくちゃ。
早く、早く。
最後は全速力で走っていた。後ろから分身さんがついてくる気配がしていた。
指先が金属にふれた。裏門だ。
「裏門に着いたよ、分身さん」
返事がない。
「分身さん?」
「大丈夫だよ、美緒ちゃん」
手がそっと肩にふれる。分身さんが私の前に移動した。と思う。
見えてないけど、風がふうっと動いたから。
トントン、と裏門をたたく音がした。
「おれ。開けて」
キイと音がした。多分、裏門が開いた。

