「もらっておけば? 分身さん」
分身さんはしばらく考えていたが、あっさり言った。
「そうだね。ホテル経営もいろいろ大変だし。ありがたくいただいておきます」
お札をシャツの胸ポケットにしまう分身さんを見て、東条さんも満足そうだ。
「でもなんでまた、あんなところにいたんですか?」
私の素朴な質問に、東条さんはうむむとうなった。
「落し物を拾っとったんじゃ。したら風で飛ばされてあんなことに・・・・・・まったくひどい目に遭ったわい」
東条さんは顔をつるりと手でぬぐった。
私は水筒のふたにお茶を注ぐと東条さんに差し出した。
「どうぞ」
「おお。こりゃありがたい。丸一日しがみついとったんで、のどがからからなんじゃよ」
東条さんは、目を細めた。
「みかんもありますよ」
「そりゃいいわい」
私は東条さんと分身さんがみかんをほおばっているのを見ながら風に吹かれていた。東条さんを連れて戻ったら、奈美ばあちゃんどんなに喜んでくれるだろう。
分身さんはしばらく考えていたが、あっさり言った。
「そうだね。ホテル経営もいろいろ大変だし。ありがたくいただいておきます」
お札をシャツの胸ポケットにしまう分身さんを見て、東条さんも満足そうだ。
「でもなんでまた、あんなところにいたんですか?」
私の素朴な質問に、東条さんはうむむとうなった。
「落し物を拾っとったんじゃ。したら風で飛ばされてあんなことに・・・・・・まったくひどい目に遭ったわい」
東条さんは顔をつるりと手でぬぐった。
私は水筒のふたにお茶を注ぐと東条さんに差し出した。
「どうぞ」
「おお。こりゃありがたい。丸一日しがみついとったんで、のどがからからなんじゃよ」
東条さんは、目を細めた。
「みかんもありますよ」
「そりゃいいわい」
私は東条さんと分身さんがみかんをほおばっているのを見ながら風に吹かれていた。東条さんを連れて戻ったら、奈美ばあちゃんどんなに喜んでくれるだろう。

