―――――10分後―――――


「…。」



…なんで、108号室が誰もおらんねん!!



1つの部屋に1人しかおらんなんてありえへんやん!



ってか早くせーへんと…



皆寮内の見学しに行っちゃったし…。



よし、こーなったら大声で…



「108号室の――――。」



「お!君、108号室!?俺、立花…颯って言う…ちょ、変な所さわんなー!!」



わぁー…まぢかぁ…。



ハーレム状態になっている立花 颯。



もう、本人の顔が見えない。



「あ…俺、古田 陽輝!!よろしくなー!!」



おっきい声ださへんかったらなんも聞こえへん…泣



俺が軽く自己紹介をするとその瞬間、立花にくっついていた女子がコッチを向く。



「きゃーーーっ!あの人も、ちょーイケメン!!」



え…?え?えーーーー!?



沢山の女子が俺をめがけて突進してくる。



「ウ……ギャーーーーーーーーーー!!!」



ちょ…誰の手、これ!?



さ…さわるなボケーッ!!



い…



「いやぁーーーーーーっ!!」



遠くにかすかに見える宙と米原。



「ちょ…ったすけ…」



宙は「ファイト」っと拳を作って俺の見える範囲から消えていく。



「ありがと!俺はちょっと楽になったぞ!」



と、立花の呑気な声。



「Help me…。」