奏でる場所~SecretMelody~

教室に戻ると、いつものように陽輝のまわりに人が群がる。



そして、その一人一人に宙の行方を聞いてみたが、だれも情報は持っていなかった。



「ほんま、どこ行ったんやろ…」



「やっぱ、奏もう少し宙を探してみる!すれ違った可能性もあるし、案外トイレだったりもあるかもだし。」



「やな!俺も…」



「陽輝は、教室に居て!今は、自分の体に気をつけないと…ね?」



「え…、あ…うん。」



「よしっ」



困った顔をした陽輝は今は置いといて。



…宙。



普通ならこんなに心配はしない。



けど、あんな不安定な状態の宙を一人にさせるのは、今はよくない。



それに、さっきから頭の中で宙に呼びかけられているような、そんな気がしてたまらないし…



奏が、教室から出ようとした瞬間、ケータイが鳴り出す。



…なんなんだ、こんな時に…



名前表示の所に“坂下”と出る。



坂下から…?



どーしたんだ?



「はい。奏だけど…」



『あ!米原!?大変なんだっ!…………』



え…?



――――カチャンッッ



シーンと静まり返った教室内に奏の落としたケータイの音が一際大きく鳴り響いた。